猫派?犬派? ― ショパンのワルツ、好きなのはどっち? ―
子犬?それとも子猫?ショパンのワルツを比べてみました
ショパンのワルツには、よく知られている「子犬のワルツ」と、愛らしいけれど少し影が薄い(?)「子猫のワルツ」と呼ばれている曲があります。
どちらも小さな動物の姿を思わせる軽やかさがありますが、よく聴いてみると意外と違いがあるんです。

子犬のワルツ(変ニ長調 作品64-1)
ショパンのワルツの中でも圧倒的に有名な曲
音楽の形式はシンプルで、ABAというわかりやすい構成
軽快にくるくる回る音型が、尻尾を追いかけて走り回る子犬のようなイメージ。
子猫のワルツ(ヘ長調 作品34-3)
知る人ぞ知る人気曲。子犬ほど有名ではないけれど、演奏すると「こんな曲もあるんだ!」と注目されます 。
形式はABCA+コーダ
子犬よりもずっと複雑 左手の伴奏にまで隠れたメロディが仕掛けられていて、緻密で大規模なイメージ
実は…「子犬」「子猫」はショパンの言葉ではありません
「子犬のワルツ」「子猫のワルツ」という名前は、どちらもショパン自身が付けたものではなく、後世の人たちがイメージから呼ぶようになった愛称です。
つまり、ショパンはあくまでも「ワルツ」として作品を書いただけ。そこに物語や動物の姿を感じ取って、別名を広めたのは聴き手や演奏家たちなんですね。
まとめ
どちらも愛らしく魅力的な曲ですが、子犬はシンプルな輝き、子猫は少し大人っぽい凝った味わいがあります。
私はどちらかといえば、ちょっと奥行きを感じさせる 子猫のワルツ の方が好きかもしれません。
演奏する人の好みや、その時の気分によっても選びたくなる曲が違ってくるのも、ショパンの魅力ですね。
